雑ノート

二次障害なしADHDな人があれこれ言うだけのブログ

ツイッターの発達障害クラスタのひとびと

 なんとなーく思い出したので書きたくなりました。

 私は自分がいわゆる「発達障がい」を持っていて、そのうちの一つ軽度のADHDに該当するんじゃないかと疑って仕方がない時期があった。それも随分と前のことである(今もそう思っているが、なんかもう悟った)。

 大学の授業を気分でサボる、周囲となじめない、とてつもなく忘れっぽい、衝動買いが多い……エトセトラ。ネットで見かけるそれらの症状は私を「発達障がい」の沼にズブズブと引き込んでいった。あっ!私これかも!ってやつです。大学に入学し一人暮らしを始めて情緒不安定だったのと相まって、まるで一つの趣味を見つけたかのように発達障がいの情報を本やらサイトから収集していった。友達もいなくて何もやることがなかったのですね、ぬた子さん。趣味が高じて(?)実際に精神科へ赴き、高いお金を払ってカウンセリングを受け、WAIS-Ⅲとかいうめっちゃ長い検査も受けました。今思えば何たる行動力。で、精神科医の口から「うーん、広汎性発達障がいと、ADHDでしょう」という言葉を聞けた時、私は晴れて発達障がい者と化したわけであります。これについては深く考えず行動してたこともあって、この診断を「ふーん納得~やっぱりな~!」くらいに受け取りました。でもなんやかんや悲しい感じではありました。いざ「発達障がい者」となって何の才能も発揮できないまま社会のお荷物と成り果てたら、実家の大好きな家族がいかに驚き、悲しみ、戸惑うかと。ぬた子さん悩みました。ええ、実際の反応は「え?まじで?わろた」の一言でしたけど。

 

 その当時持っていたフォロー数52,フォロワー数9(うろ覚え)という、ありえん寂しみを感じるツイッターのアカウント。世の人気ツイッタラーさんであればこの数字を聞いて卒倒するんじゃなかろうか。それを、特に目的もなくぽちぽちやっているうちに、どうやらツイッター上には発達障がいの人々が多くおられる、ということに気がついた。こりゃあ、情報交換のためにもいち早く彼らと交流せねばなるまい!ビバ発達障がいクラスタ!と思い立ち、それ専用のアカウントを作成しました。結局情報交換というよりかは日常の些細な出来事をやり取りするのがメインで、それがとっても楽しかったんですけど。後述します。

 

 私は始めたてのとき、発達障がいに関する何かをツイートしたのですが(ポエミーすぎるので内容はヒミツ)、それがどうも発達障がい関連のツイッタラーさんたちの心を鷲づかみしたらしく、ツイートはたちまち拡散され、フォロワーさんはどんどん増えていったのです。リツイート数とフォロワー数がぐんぐん伸びていくなか、私は恍惚としていました。「すごい…こんな多数の人に注目されるなんて…!友だち増えた…!」と。それとなくこれまでのライフヒストリーが伺えるようですね。何と物悲しい人間なのでしょう。

 そこで出会ったのは、発達障がいをお持ちでありながらもコミュニケーションには問題がないという方が大半でした。パニック障害やうつ、摂食障害などの発達障がいとは別の精神障害を併発していらっしゃる方もたくさんいらっしゃいました。というか、私のように純粋な発達障がい者(という表現は正しくない気もする)はめちゃくちゃ少数でした。多くの方はこれまでの人生で挫折を何度か経験し、精神を病んでしまっているという状態でした。私のようにうつも無ければ不安も無い、心身ともに健康な人というのは本当に珍しいものなのです。プロフィールに数々の現在服用している薬を記載している人を見かけると、発達障がいの診断を受けたあとも何の薬も飲まず日々のうのうと生きる私はなんだか奇跡のかたまりのようなモノに感じられました。

 

 最初はコンサータストラテラをはじめとする発達障がいの症状を抑えるための薬の副作用のこと、聴覚過敏で困っていることなど、わりかし真面目な話もしていた気もしますが、そのうち日常会話が主になっていきました。

 というか皆さん話してみたら全然普通だった。ほんttttっと普通。私なんかよりもよほど常識やコミュニケーションに必要な共感能力があって、ノリもよくて。「今日買ったお洋服♡」「男だけど料理つくってみた」「今日は彼氏と○○に行った♪」「バイクで遠出した」とかね。きっとそういう定型発達の人々と共有できる普通の側面を多く持ち合わせているからこそ、かえって発達障がいの負の部分が際立ってしまい、気になるのだろう。幼少期から引き気味に「ぬた子ちゃんってちょっと個性的(独創的)だよね~…アハッ…」と言われ続ける私とはそもそも立つ土俵が違ったのかもしれない。

 まあとにかく。

 「おはよー」と言ったら「おはよ!」。「ただいま」と言えば「お帰り。おつかれ~」と返ってくる日々だった。すばらしかった。それまで私のリアル垢のツイートに返事が返ってきたことなんて無かった。せいぜい1お気に入りが良いところだった。発達障がいを持つ人々はみんな何かしらの寂しさを感じていたのか、とにかくよく話しかけてくれた。こんな私にさえ。いわゆる「あたたかいインターネッツ」に包まれたのは、おそらくこれが最初で最後だったな…と思うとなんだか胸が切なくなる。今後こういう経験はもうないだろう。

 

 あれほど発達障がいクラスタの皆さんに可愛がってもらったのにも関わらず、私はある日「あっもういいや」と何の予告もなくツイッターのアカウントを突如消してしまった。全部面倒くさくなったのだ。アカウントを作って、わずか数か月しか経過していなかった。親しくなることも、人とのつながりを維持することも全部やっかいごとのように思えてきてしまったのだ。自分たちだってすごく辛いのにどうでもいい私にすごく優しく接してくれた人たちに背を向けてしまった。馬鹿なの?死ぬの?

 それ以降ツイッターは一度もやっていない。ちょっとした後悔がいまだに腹の中に残っている。コミュニケーションから逃げてしまった。

 ブログなら必ずしも相互関係を築かなくてもいいし金銭面で窮迫したらアフィリエイトの恩恵にあずかれるかもしれないと思うことにした。ちょっとだけ気が楽だ。

 

 自分を責め続ける人、家族との軋轢に悩む人、薬の副作用に苦しむ人、涙ぐましい努力をしている人……。色んな人がいた。一瞬あのコミュニティに所属していただけの人間だけれど、学んだことは多い。発達障がいクラスタは今も自分の弱さを受け入れて生きているんだろうか。もしかして記憶の片隅にあるかもしれない私もそれなりに元気にしていますので、お互いに頑張りましょう。負けないでください。